【第2章】月収よりも高い物件を借りてイベントスペースを運営

gezan

読書会を卒業した私の「次のやるべきこと」は、恵比寿の一等地にマンションを借りて、そこを仲間で使うという会員制のスペースの運営。契約金だけで100万円もする物件を、手取り20万円弱で、貯金0円(借金でむしろマイナス)の私が、どうやって立ち上げたのかを、お伝えしていきますね。

2年で3,000人の裏側と、たった1人との蜜な関わり

私の著書のプロフィールには「2年で3,000人以上も集客」って書いてあります。でも、恵比寿は会員制のイベントスペースだったので、本当に私が関わっていたのは会員の10人だけ。

恵比寿のマンションを借りて、10人に合鍵を渡してスケジュールを共有。イベントを好きなときにやっていいですよっていうやり方で運営をしていました。会員の10人とは密に関わって毎月ミーティングするけど、その先の参加者とはほとんど関わってないんです。ここでもやっぱり、私は10人しかみていません。2年間、情熱を持って走り続ける中で、だんだんと次のやりたいことが見えてきたので、貸しスペースを閉鎖しました。その時の会員で特に仲良しになった人と共同出資をして、今の株式会社女子マネを設立しました。

桃子
桃子

たくさんの人と薄くつながってきた私は、たった1人と濃いつながりをつくることを選んだのです。

だから、コミュニティの一般的なイメージに、無理して自分を寄せなくていいんです。インフルエンサーを見てハードルを上げて、せっかくのチャンスを逃さないでください。私と最近知り合った人は、私の著書や発信、SNSの投稿をみて、「わ〜すごいなぁ」と思ってしまうかもしれません。でも、安心してください。何者でもなく、友達もいなかった10年前の私の投稿には、「いいね」が10人以下でしたよw

いかがでしたでしょうか?コミュニティづくり=仲間づくりなんです。今までのコミュニティのイメージを捨てて、分解して1つ1つ取り組んでいけば、難しいことはありません。では具体的な方法や私が実際に行ってきた事例について、ご紹介したいと思います。

コミュニティの最小単位は2人から

前半では、コミュニティについてみなさんが持っている誤解を解いてきました。ここからは、私が提唱していく一口サイズのコミュニティのことをお伝えしていきます。私がこれから世界中の共通認識として広めていくコミュニティとは、

共通の目的や目標をもって長期的な関係性を前提に協力しあう2人以上の人

共通の目的や目標をもって

長期的な関係性を前提に協力しあう2人以上の人

繰り返しになりますが、家族でも友達でも、学校の教室でも職場でも、地域の集まりでも、2人以上で「私たちはこういうことを大事にしましょう」と考えて、それを実行する時に必要な共通認識や手順を、私は整理してもっと個人単位で使いこなせるものにしたいと思っています。

つまり、大切なものを大切にするには、目の前の1人とのつながり、合意が大切なんです。

この考えは、私の子育てと密接に関係しています。今、私は2人の子供たちと一緒にいる時間を大切に過ごすために、仕事の量や時間をコントロールできるような働き方を選んでいます。子供が熱を出したら私が仕事を調整して、会社員の夫はいつもどおり働くことが多いです。でも、私がそのようにして子供を大切にしたいと考えているから、納得しています。

誰かと協力して、この社会をよくしたいとか、大切な人を大切にしたいと思った時に、まずしなくてはならないのが「自分が何を大切だと思うのか」を知っておくことです。優先順位と言ってもいいかもしれません。

そうしないと、別の何かに振り回されたり、いっときは良くても、違和感を感じたときに調整するための言葉が自分から出てこなくなってしまうのです。

だから本当に、「自分が何を大切にしたいのか」が一番のベースになります。その上で、その大切だと思うことを大切にするために、必要な協力すべき人との関係性を育んでいくのです。私たちは、周りの人とどのような関係性を結んでいくか、ということをもっと選択できると思うんです。

仲間が集まる場所を作りたい

当時、よく集まっていた場所がなくなってしまいました。私は「仲間が集まる場所を作りたい!」と思ったのですが、本当の目的はそのスペースを無くすことになった本人を元気づけたいという思いでした。場所のオーナーは、一緒に読書会を運営していたメンバーだったんです。

ここでも私はたった1人にフォーカスがありました。その本人に乗り気になってもらうために、会社の出勤前に6時に家を出て、その人の店舗が移転した亀戸駅の会社に立ち寄ってから渋谷に出勤するという毎日を1ヶ月ほど続けました。

そこで1ヶ月ほどして、ようやく本人が乗り気になってくれたので、いよいよ動き始めました。

仲間に物件を探してもらって、とうとう恵比寿にちょうどいい場所を発見!でも私にはお金もないし、審査に通る与信もなかったんです。友達に名義を貸してもらって代わりに契約してもらい、契約はできるようになりました。でも、手持ちの現金もなければ運転資金もない。

ない頭を捻って「月額制の会員制スペース」にすれば収入が安定して副業でもできそうだと思い「共同オーナー制度」を持ちかけて10人の仲間を集めたのです。読書会で仲良くなっていて、イベントを主催してくれそうな人に1人1人アポを取って話をしました。

当時の説明資料。資料も稚拙だしメッセージは顔から火が出るほど恥ずかしい。


提案して検討してもらっている間にも、着々と契約金振込の締切がきます。ドキドキしながら1人1人に話をして、なんと声をかけた全員が一緒にやろう、と決断してくれました。「やってみたい。お金はいつ払ったらいいの?」と聞かれて「今日おねがい!」といったときの友達の顔が忘れられません。笑

スペースを始めた後も、私は会社員でしたので朝晩しかスペースには要られません。そこでそれぞれに合鍵を渡し、掃除やトイレットペーパーの交換などは借りている人にお願いbは、月に1万円〜15000円もらっていましたが、やっぱりこの時も、私自身が教えられるものなんて、全然なかったんです。だから「応援して!私も応援するから!!」という精一杯のメッセージを送り続けました。

この図解については、第4章で解説します。
A子さん
A子さん

教えるのは難しくても、応援ならできるかも。

桃子
桃子

そう。自分が感じた気持ちを伝えるだけでも喜んでもらえますし、嬉しいですよ。

スタートしてから参加したいとか、検討してくれた人も増えてきて、恵比寿のスペースは軌道に乗りました。途中から参加をしたいと話を聞きにきてくれて共同オーナーに参加しなかった人も、この場所をシェアしてくれたり、共同オーナーのイベントに参加したりといろんな形で関わってくれました。それで十分嬉しかったです。

コミュニティをつくるチカラがあれば
あなたの大切なことを大切にすることができる

桃子
桃子

コミュニティをつくるチカラって、すごくクリエイティブだと私は思うんなんです。
ところでA子さんは「自分はクリエイティブだ」って思いますか?

A子さん
A子さん

うーん、クリエイティブって、アイディアがポンポン出てくる人のことですよね。
私は仕事も事務職だし、全くそう思えません。

実は、英語の「クリエイト(create)」 の意味って英英辞典でこんなふうに表現されています。

to  bring  something  into  existence

「何かを存在させること」

オックスフォード英英辞典

だからつまり、

クリエイティブで生きるとは

「あなたが大切だと思うこと」「この世界に存在してほしいこと」を

この世界に存在させること

これって、なんだか素敵だと思いませんか?


だから、朝起きて「今日はどんな1日にしようかな〜?」と考えて1日を過ごすこともクリエイティブなんですよ。「落ち込んでいるあの人に優しくしてあげよう」と思ったり「今日はリラックスして過ごそう」と思ってお気に入りのアロマを焚いてみたり。そんな風に自分が「今日はこんな1日にしたい」と思って行動することそれ自体が、クリエイティブであるということなんです。

今日という1日の創造主なんです。この記事を読んでくれているそれではあなたは

何を大切だと思っていますか?

どんな世界を存在させたいですか?

私は

桃子
桃子

私は、私の大切な人たちが、
「つながりを感じられる優しい社会」に存在して欲しいんです

子供が学校に行ったり、もっと大人になって社会にでて働いていくときにも「きっと優しい人に出会えているはず」「困っている時は誰かが助けてくれるだろう」と、そんなふうに、毎日子供を安心して送り出せる社会であってほしいんです。私が死んだ後も。だから、私がこれからの人生で働く時間は、そんな社会をつくるために生きていこうと決めました。

逆に、競争をして分断して、誰かが成功したら「自分の取り分が減ってしまった!」と悔しがるような世界には存在して欲しくない。だからこそ「こんなことができたら、嬉しいよね」とか「こんな世界が実現したら、素晴らしいと思わない?」と、誰かに語りかけることが、コミュニティづくりの第一歩なんです。

そんな風に考えて、コミュニティを再定義し、広めて行きたいと考えるようになりました。。

だって、たった1人でこれを実現しようなんて、ハードモードすぎますよね。誰かに同じ方向を向いてもらいたい。そう思って人に働きかけるのことにしたんです。

7年前、私は社会に

みんながつながりを感じていられる社会を作りたい

すべての人が居場所を感じられる世界を作りたい

という思いがあって起業しました。

この「コミュニティをつくる」というやり方を広めているのも、そのビジョンに確実に一歩一歩、ゆっくりだけど伝えられる方法だと思うから、ずっとやめずに続けられています。

A子さん
A子さん

いいお話ですね・・・ただ、私にはみんなに賛同してもらえるような目標なんてないし、伝えたいこともまだよくわかりません。。

桃子
桃子

大丈夫です。ちょっと一緒に考えてみましょう

どんな世界であって欲しい?まず自分とつながること

自分の大切なことや、「こういう世界だったらいいな」と考えること(=クリエイティブに生きる)に、肩書きは必要ありませんよね。もちろん、地位も権力も、お金もいらない。

「わたしはどうしたいのか」

「なにを感じているのか?」

「なにがあると嬉しいのか?」

そういう自分の願い、「Want to」を感じることが一番大元にあるんです。

あなたは自分と繋がっていますか?

自分の願いがわかっていますか?

もし、「何者かにならなければ」という焦りや「周りの人の期待に答えなければ」と我慢をすることが日常になってしまうと自分の気持ちがわからなくなってしまいます。

もし今いる場所で我慢したり、自分を抑えたりしているのだとしたら、別のコミュニティに参加をするということをおすすめします。それは、環境を変えずに自分をリセットするのは、かなり難しいことだからです。

A子さん
A子さん

まずは参加なんですね。でも、私は今までに、いくつかの勉強会やオンラインコミュニティには参加していますけど、何も人生変わっていません。

桃子
桃子

おっと、そうなんですね。何も変わっていないと思うのはどうしてですか?

A子さん
A子さん

私なんて、なんの特技もないですし、フツーの会社員だし、私とつながっても相手に得なんてないでしょう?それに、つながりを作ろうにもどうしたらいいかわからなくって・・・

桃子
桃子

そういうことですね。では、ひとつひとつ分解して考えてみましょう。

あなたが周りに与えている”価値”を見える化してみよう

そもそも、価値ってなんでしょうか。

桃子
桃子

A子さん、自分に価値はないと思ってるんですか?

A子さん
A子さん

そんなことは・・ないはずですけど、なんの資格も持ってないですし。平社員だし。

資本主義のこの世の中で、価値といえば資格やお金になることだと思われがちですが

本当に私たちって、人間関係からお金につながることだけを得ていられたら幸せなのでしょうか。

そんなことはないですよね。

みんなが勘違いしている価値提供の”価値”

価値提供って考えたときに、あなたにとって何が価値になると思いますか?「価値提供しよう!」と思ってコミュニティを作ったり、コミュニティに参加することを考えると、みんな肩に力が入ってしまいます。

主催する場合にはお金が稼げるとか、有益な情報とか、メリットのある情報を提供しなきゃと思うから、自分にはスキルがないから無理だ、忙しいから無理だって思っちゃうんですよね。わかりやすいからお金って言う指標とか、お金を払って参加してもらうときにお金的なメリットをすごく言いやすいんですけど、お金って何かの手段でしかないんですよね。お金が目的なのではなくて、お金の先に欲しい感情があるんです。

桃子
桃子

第3章では、お金以外でどんなやり取りが、人と人との間で交わされているのかをお伝えしてゆきます。ぜひ一緒に考えてゆきましょう。




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